「足元から快適に」床下から暖める床下エアコンとは?

床から暖める暖房の種類
暖房には、大きく分けて住宅設備として住宅の建築時に設置する床暖房と、置き型の暖房があります。ここでは住宅の建築と同時に設置する床から暖める暖房の種類を確認していきましょう。
温水式床暖房
床下に敷き詰めた暖房パネルに、電気やガス、灯油などで温めたお湯が流入されて、床からの伝導熱と輻射熱で室内を暖める暖房方法です。
直接熱が顔や体にあたらないので、乾燥が気にならず、柔らかな暖かさが心地よい暖房です。
非常に快適ですが、設置に高額な費用は掛かる、メンテナンスの費用が他の暖房に比べて嵩むという経済性の問題があります。
ただし、メーカーによる耐用年数の違いはあるものの、通常の暖房器具に比べて、初期費用のうちの半分以上を占める温水パイプには耐用年数が20年から30年あります。
月々の燃料費も電熱式より抑えられるので、長い目で見ると、耐用年数の短い暖房機器を買い替えるよりは低コストになるという考え方もあります。
電熱式床暖房
床下に電熱線のヒーターを敷き詰めて床を暖め、温めたい部屋だけを暖房する方法です。
導入にかかる費用は、床暖房や蓄熱式床暖房に比べて低価格です。
また、他の床暖房の場合、部分的な暖房ができませんが、電熱式の場合、暖かくしたい部分だけを暖められます。
部分的に短時間使用する場合には向いていますが、長時間広範囲に使用する場合には、電気代が嵩んでしまいます。
10年使用すると、床暖房の導入費用より、月々の電気代のコストの方が高くなってしまうケースもあります。
蓄熱式床暖房
深夜電力で蓄熱パネルを暖め、温められた蓄熱パネルからの輻射熱で室内を暖める暖房方法です。
家全体を暖めるので、家の中の温度差、朝夕の温度差が小さくなります。ただし、長期的につけっぱなしにして使用するので、温度管理の細かい調整はできません。
温水式床暖房に比べると、メンテナンスにかかる費用がほとんどないことに加えて、深夜の電力で昼間放熱させるので、電気代が節約できますが、導入には高額な費用がかかります。
他の暖房方法とは?
通常の冷暖房用のエアコンを床下に設置して暖房器具として使用する暖房方法です。
床下の空間全体を暖め、その熱で家の中を暖房します。
床暖房と比べての大きな違いは、導入費用が格段に抑えられることです。
寒い地方の建築家がコストを抑えて家の中を暖める為に研究してきた暖房方法だと考えられます。その為、徐々に採用される率が増えてきたとはいえ、少数です。
その理由は、基本的にはエアコンメーカーが推奨している使用方法ではないこと、新築時にしか設置できないことが原因です。
大手ハウスメーカーで新築する場合には、エアコンメーカーが推奨していない方法である床下エアコンの設置はしません。
その為、個人の設計事務所や工務店で家を新築する場合にだけしか設置することができないのです。
さらに、床下エアコンについての十分な知識や経験と技術がない会社に設置を依頼すると、カビやシロアリなど、住宅の寿命を脅かすような問題がおこるリスクもあります。
その為、床下エアコンを設置する場合には、建築を依頼する会社と十分に相談することが大切です。
床下エアコンで注意しなくてはならないこと
床下エアコンとして設置したエアコンで冷房はできません。
冷房をすると水分が出て、湿気で住宅を劣化させてしまう恐れがあるからです。
その為、床下エアコンの他に、上の階に冷房用のエアコンをもう1台設置しなくてはなりません。しかし、床暖房の導入費用を考えれば、かなり費用を抑えられます。
また、壁掛けとして使うよりも掃除と点検がしにくいということも覚えておく必要があります。エアコンの掃除だけではなく、床下の掃除と点検も必要です。
ネコは床下暖房で丸くなる、ですね
ネコナース