「床下の基礎補強」が必要なのはなぜ?その理由から工事方法まで!

目次
床下の基礎補強が必要な理由
基礎補強しないのはジャンガを下から抜くようなもの?
皆さんはジェンガというゲームを知っているでしょうか?
スティック状のパーツを組み合わせて塔を作り、そのパーツを順番に引き抜き、倒すと負けというゲームです。
ジェンガで遊ぶとき、ほとんどの人は塔の上の方からパーツを引き抜いていくと思います。
まさか一番下から抜く人はいないですよね。一発で倒れてしまいます。
日本は「災害大国」などというありがたくない呼ばれ方をするほどに、しばしば甚大な自然災害に見舞われる国です。
事実、2019年は新年早々から熊本県で最大震度6弱を記録する地震が発生しました。
こちらの記事では、床下基礎の補強工事が必要な理由について詳しく解説しようと思います。
床下の基礎補強が必要な理由
家に長く住んでいく上では必須のメンテナンス
床や基礎の補修工事は、家に長く住んでいく上では必須のメンテナンスとなります。建物を支える部分となりますので、ここの強度が不十分な場合、柱や壁がゆがむ原因にもなり、家が長持ちしません。
普段は目につかない箇所なので、どのような状態になっているのかわからず、床がへこむ・ギシギシいうなどの症状が現れて、心配されている方も多いのではないでしょうか?
老朽化した戸建て住宅では、床の湿気やシロアリが原因で建物が痛んでいることが多くあります。耐震診断を受けて、状態を確認することをおすすめします。
床下、基礎・シロアリの補強工事の種類
床下、基礎・シロアリの工事には、主に「基礎補強工事」「シロアリ駆除・防除」「断熱」の3種類があります。
基礎補強工事
耐震などを目的として、住宅の基礎を強化する工事になります。
まずは床をあけて、基礎の状態を確認します。築50年を超えるような古い家の場合、土の上に設置された「玉石(たまいし)」と呼ばれる石の上に柱が載っているだけの状態である可能性もあります。
築30〜40年程度の家であれば、1階の柱の下のみをコンクリートで支える「布基礎(ぬのぎぞ)」と呼ばれる工法が主流でした。現在の新築住宅では、全面を鉄筋コンクリートで支える「ベタ基礎」であることがほとんどです。
基礎を確認した結果、鉄筋が入っていないコンクリート基礎であれば、新たに鉄筋コンクリート基礎を増し打ちする方法や、炭素繊維シートを施工して強度を出します。
シロアリ駆除・防除、湿気の調整
床下をあけると、コンクリートの基礎に沿って土の筋ができていることがあります。これは「蟻道(ぎどう)」といって、シロアリが地面から基礎の柱へと作っている通路であり、家がシロアリの被害にあっている証拠です。
シロアリは湿気を好み、湿気が強い床下へと集まってきます。タイル貼りのお風呂、タイル貼りのトイレなどは水分が多く、被害の多い箇所です。また、工事の際に床下の掃除が甘かった場合、木材や木くずが基礎に残されていることがあり、そこにシロアリが寄ってくることもあります。
シロアリは光と乾燥を嫌うため、木の内部だけを食べてしまうので、パッと見ただけでは被害がわかりにくいことが多く、注意が必要です。基礎の全面にコンクリートが施工されているベタ基礎の場合でも、水抜き用の穴や、亀裂からも侵入してくることがよくあります。
床の断熱
床の断熱性が低いと、冬場、暖房で部屋を暖めても熱が天井へと上がってしまい、床下からの冷気が上がってくるので、頭は暑くてぼーっとするのに、足元だけ寒いという状態になります。これでは、いくら暖房をかけても寒いままなので、光熱費がかかってしまいますね。
その場合は、床に断熱工事をするのが効果的です。
具体的には、根太と呼ばれる床下の板を支える柱の間に断熱材を施工する方法と、床板の裏に発砲プラスチック系の断熱材を吹き付ける方法の2種類があります。
床の断熱工事をすると、冬場の床近くの温度が8度近くも上昇するという調査結果もあります。特に、フローリングの床の家の方は効果を感じやすいと思いますので、足元の冷たさにお困りの方は、床の断熱工事をご検討ください。