外構周りに桜を植える人が少ないのはなぜ?外構周りに桜を植える際の注意点

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日本人の別れと出会いを見守る桜
春風に舞う桜吹雪に見送られながら、人はそれぞれの道を歩み始めます。
卒業式を終え、好きな人の第2ボタンを握りしめる女子。小さな体に大きなランドセルを背負って、通学路を行く小学1年生。緊張の面持ちで、初出勤の日を迎える新入社員…。
桜の花たちはすべてを見ています。
3月下旬から4月上旬にかけてお花見をする人も多く、僕も毎年、その時期を心待ちにしています。
でも、桜といえば、学校や公園、お寺、神社、歩道などに植えられていることがほとんどで、個人宅の庭や外構周りではあまり見かけませんよね。
こちらの記事では、桜が庭にあまり植えられない理由から桜を庭に植える際の注意点まで詳しく解説しています。
外構周りに桜が植えられない理由
病気に弱い
桜は人為的に品種改良が重ねられてきたため、病気に弱いという特徴があります。
特に、枝がほうきのように細くなってしまうてんぐ巣病という病気には注意が必要です。
病変のあらわれた枝をすぐ切れば病気を食い止めることはできるのですが、桜の木には「枝や幹を切ると傷口が傷みやすい」という致命的な弱点があります。
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざまであるほどです。
害虫や害獣を呼びやすい
お花見では花の美しさに目を奪われて見過ごされがちですが、実は桜の幹には毛虫がたくさん湧いています。
毛虫は桜を大好物にしていて、密や花粉、樹液を食べ、格好の住み家とします。
また、桜の木をつたって蛇やイタチが家の中に入ってくることもあるので、特に夏場は窓を開けられません。
桜の木を植えると、日常生活にまで支障をきたしてしまうのです。
花びらの掃除が大変
桜は美しく咲き誇り、やがて儚く散ります。
花吹雪は桜の魅力のひとつですが、自分の庭に花びらが散らばっていたら掃除が大変ですよね。
また、桜の咲く頃は菜種梅雨と重なり、雨が降りやすい時期でもあります。
どうしても外構周りに桜を植えたい場合の注意点
ソメイヨシノではなく小型の品種を選ぶ
ここまで本文中で記した「桜」はソメイヨシノを指していますが、桜には他にもさまざまな品種があります。
シダレザクラ、ヤエザクラ、カワヅザクラなどは耳にしたことがある人も多いはず。
また、実は桜には小型の品種もあります。そのひとつがゴテンバザクラです。
ゴテンバザクラは容易に剪定することができ、盆栽などにもしばしば用いられます。
ソメイヨシノやシダレザクラにスケールという点では劣りますが、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。
注意点を踏まえて桜の木を植え、春を彩ろう
外構周りに桜を植えることは、さまざまなデメリットがあるのでおすすめはできません。
しかし、そんなデメリットを承知のうえで桜を植えたいと思えてしまうほどに、桜の花は魅力的です。
桜にはこんなことわざもあります。
明日ありと思う心の仇桜
桜が明日もまだ咲いているだろうと油断していると、夜に風が吹いて一気に散ってしまうかもしれないという意味です。つまり人生は無常で、いつ何が起こるかわからない、と。
その儚さが多くの人の琴線に触れ、自分を重ね合わせてきたのでしょう。
桜を見ると、病院を開業したあの日を思い出すんだな~…
パンダ院長