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蟻の駆除に必要な道具や薬剤とは?

 
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日本で相談の多い黒アリの種類

  黒アリは世界中で約12,000種以上存在し、日本国内でも280種以上が確認されています。

体長は2~3㎜の小型種から、10㎜を超える大型種まで様々な種が害虫駆除業者の駆除対象となります。

相談の多いシーズンは年2回、4月~6月と9月~10月です。イエヒメアリ、ルリアリ、ムネアカオオアリ、クロオオアリ、トビイロシワアリ、トビイロケアリ、一部地域では外来種のアルゼンチンアリなど多くの相談が鵬図商事に寄せられます。黒アリは体長が小さいので、簡単に駆除出来ると安易に考えられる方が多いのですが、体長が小さい分ありとあらゆる隙間から侵入してくる事もあり、正しい知識を持って対処しないと難防除になりやすい案件とも言えます。

 

黒アリ駆除に使用する薬剤

 黒アリ駆除に用いる薬剤は様々な剤形の物がありますので、ポイントをお伝えします。

 

女王アリの駆除には伝播性のある薬剤を選ぶ事が重要

  繁殖の元を断つ為には、女王アリを駆除する必要があります。しかし、女王アリは巣から中々出てきません。

そこで必要なのは、黒アリの習性を利用する事です。駆除に活用出来る黒アリの習性は①エサを巣に持ち帰り、他のアリや幼虫、女王アリに分け与える。②仲間が互いの体を舐めあう。という2点が利用できます。

上記の習性を利用し、他の黒アリにも有効成分を伝播する効果のある剤形がベイト(食毒)剤、もしくは液剤(伝播性のある有効成分を配合した薬剤に限る)となります。

 

各剤形の特徴とは?

 

ベイト(食毒)剤

薬剤入りのエサ(ベイト)を巣に持ち帰らせることで、巣の中で効果を発揮させる殺虫剤です。

液状の物と固形(顆粒が多い)の物があります。黒アリはエサを巣に持ち帰り、他のアリや幼虫、女王アリに分け与えます。そのため、遅効性であるベイト剤を巣で分け合ったり、伝播性のあるベイト剤に触れた黒アリが他のアリと舐めあったりすることで、殺虫効果が巣の中の女王アリまで連鎖していくことが期待されます。黒アリが巣穴に持ち帰ることで効果が得られることから、黒アリの巣の場所がわからなくとも、室内や屋外の黒アリが通りそうな場所に設置することで、巣の中の黒アリにまで効果を与えることができます。

 

液剤

液状タイプの殺虫剤を、噴霧器で黒アリに直接かけて使用する薬剤です。黒アリは、仲間が互いに体を舐めあう習性を持っています。この習性を利用し、薬剤の有効成分が伝播される遅効性薬剤を黒アリにかけることで、直接薬剤をかけていないアリにも効果が拡がります。このことから、室内や屋外の黒アリの行列や巣に使用することで、巣の中の黒アリにまで効果を与えることができます。

 

エアゾール

エアゾールは、通常、即効性の薬剤を使用しています。黒アリに直接吹き付けることで、殺虫効果を発揮します。徘徊中の黒アリや巣として利用している隙間などに使用します。使用方法の手軽さと、使用後わずかな時間で効果が確認できることが特徴です。ただし、女王アリが地表に出ることは少なく、広く分布する範囲のどこに女王アリがいるかはわからないことから、エアゾールは、見えている以上の殺虫効果を与えることは困難です。

室内や屋外で行列をつくるアリなどを、すばやく殺虫することができます。

 

粉剤・粒剤

散布した薬剤にアリが触れることで効果が得られる殺虫剤です。粉状、粒状、顆粒などがあり、主に、アリの家屋への侵入防止を目的に使用されます。まいてから一定期間効果が残ることから、屋外において、建物の周りを囲うように使うことで、アリの侵入を妨げることができます。ただし、風雨や湿気に弱いことから、屋外においては飛散や流出により、長期的な効果は期待できません。

 

その他侵入予防に使用出来る資材

 体長2~3㎜で屋内営巣の黒アリは床板の隙間やコンセントボックスの隙間から侵入してくる事が非常に多い事から、物理的に侵入箇所を閉塞する事で、長期間侵入を予防する事が期待出来ます。閉塞処理に使用する資材はホームセンターなどで購入出来る、コーキング剤、パテ、発泡ウレタンフォームなどを使用する事が多いですが、黒アリを駆除出来る有効成分チアメトキサムを配合したコーキング剤などシロアリ・黒アリ用の特殊な物も上市されています。物理的な侵入予防に加え、コーキング剤などを黒アリが噛んだ時に有効成分のチアメトキサムの有効成分が黒アリに伝播され、死に至ります。

 

まとめ

黒アリ駆除のポイントとしては、①黒アリの同定を行い種を特定する事、②対象種や現場状況に合わせて施工方法や目的に沿った薬剤の選定をして頂く事、③施工の効果判定を行う事など、良い駆除効果を出す為には高度な技術と知識が求められます。黒アリは体長が非常に小さい昆虫ですが、小さいからこそ、侮る事の出来ない駆除の難しい害虫だという事が分かったかと思います。ご参考になればと思います。

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