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外壁リフォームの要点と基礎知識

 
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雨風にさらされる外壁は、古い家なら劣化しているのは当然です。

居住に問題がなければ、すぐに対処する必要はないとはいえ、次のような不具合は、いずれツケが回ってくるので、早めに対処しましょう。

 

外壁で起こりやすい不具合

・ひび割れが起こっている

・一部が剥がれ落ちている

・色あせがひどい

・コーキング(シーリング)が劣化している

・藻やコケが生えている(特に北側の壁)

・断熱が不十分で家が寒い

・見た目が気に入らない

 

外壁のリフォームでは、必要なら補修し塗り替え、既存の外壁を取り除いて張り替え、既存の外壁に重ね張りの3種類があります。

不具合の内容でも方法は変わりますが、それよりもリフォーム後の外壁をどのようにしたいのかで変わり、外観を変えるためだけのリフォームも考えられます。

 

1.ひび割れや色あせ

モルタル壁に多いのがひび割れで、ひび割れ部分に工具で溝を作り、そこにコーキング剤を充てんして上から再塗装します。

ただし、動いている(これからひび割れが進む)状態のひび割れは、補修しても再度割れる可能性が高く、その判断は素人には難しい部分です。

 

不具合が色あせや塗膜の劣化だけの場合も、同様に塗り替えて対応しますので、不具合が小さければ塗り替えだけの安価な対応が可能です。

 

2.剥がれ落ちなら大規模に補修

モルタル壁のひび割れがひどくなると、一部が剥がれ落ちてきます。

モルタルの下には防水シート(アスファルトフェルト)がありますが、だからといって外部にむき出しの状態が良いはずはなく、剥がれた部分が落下すると非常に危険です。

 

剥がれ落ちた部分を切り取り、モルタルを塗り直して再塗装する補修が一般的で、ひび割れが枝分かれして全体に及んでいるなら、一面を作り直すことも選択肢に入ります。

このとき、サイディングに張り替えて外観を変える選択もあるでしょう。

 

3.コーキング(シーリング)の劣化

サイディング壁では、サイディングボードのつなぎ目にコーキングがされており、窓枠との境目にもコーキングで雨水の浸入を防ぎます。

コーキングの劣化は早く10年程度と言われているので、サイディング壁の古い家は、コーキングが既に劣化していて当然ということです。

 

コーキングの劣化は見た目でわかりやすく、細かい亀裂が入っていたり、ひどい場合はコーキングが浮き出して剥がれてきたりします。

モルタル壁同様に、サイディング壁でも防水シートがありますので、ただちに家の内部に雨水の被害は発生しません。

 

しかし、サイディングボードは釘か金具で下地木に固定するため、コーキングが劣化すると、下地木や金属物の腐食に繋がって耐久性を落とします。

コーキング単体の補修ももちろん可能ですが、塗装し直すときにコーキングの補修もしてもらう、サイディングボードの張り替えでコーキングも新しくするなど考えられます。

 

4.藻やコケへの対応

北側の壁は日照がなく、じめじめしやすいので、知らないうちに緑色の藻のようなコケのようなものが、壁に付いて見た目を悪くします。

また、方角を問わず通気が悪い、日が当らない、水気があるという条件が揃えば発生します。

 

藻やコケは基本的には高圧洗浄で除去できて、リフォームするほどではありません。

しかし、塗装が劣化してくると、防水性も落ちて発生しやすい悪循環になることから、なおさら古い家では塗り替えが必要でしょう。

その際は、抗菌性のある塗料で、藻やコケの発生を抑えるようにしたいものです。

 

5.断熱性や見た目の向上

モルタル壁で塗装の塗り直しや、サイディング壁の張り替えで見た目は変わりますが、サイディングでは既存の壁に重ね張りもできます。

重ね張りは、既存の壁がモルタル(塗装の場合)でもサイディングでも対応可能です。

 

また、古い家の外壁リフォームで、断熱性まで向上させようとするなら、外壁を張り替えるまたは重ね張りする際に、断熱材を入れる断熱リフォームが適しています。

一般に外張り断熱と呼ばれる工法で、内壁側に断熱材を入れる工法と異なり、住みながらリフォームしてもらえます。

 

既存の外壁を剥がし、張り替えのオプションとして断熱材を入れるのが一般的ですが、既存の外壁を残して、旧外壁・断熱材・新外壁になる外断熱重ね張り工法を取り入れているリフォーム業者も存在します。

 

6.モルタルかサイディングか

古い家の外壁を張り替える際、モルタルにするかサイディングにするか悩むところです。

どちらにもメリットデメリットがあるので、リフォームを機に考えてみましょう。

 

モルタルの最も優れている点は、デザイン性の高い仕上げにできることです。

これは、モルタルが塗り壁だからできることで、曲面にもできますし、一部をタイル張りにするなどの他、表面の仕上げにも多くの種類があります。

一方で、左官職人の技術によって、できあがりにムラが生じるのを否めません。

 

現在主流のサイディングは、量産されたサイディングボードを繋ぎ合せるので一定の品質を保ちやすく、工期の短縮にもなって(主に業者側で)歓迎されます。

特にハウスメーカーの住宅では、サイディングが多く使われることを考えると、住宅が職人の仕事から次第に工業化されていったのが伺えます。

 

あらかじめボードを選ぶことができるため、仕上がりを予想しやすいメリットがありますが、例えばタイル調のボードを使っても、近づけば偽物であることは容易に判明します。

外装に「手をかけている」感を出すなら、モルタルに軍配が上がるでしょう。

 

耐久性の評価には誤解が多い

耐久性については、モルタルはいずれ割れるのに対し、サイディングでは割れよりもボードの繋ぎ目に使うコーキングの劣化があります。

どちらも雨水の浸入を許す原因で、素材が割れるモルタルは、耐久性が低いイメージを持たれやすいですが、定期的なメンテナンスはどちらも必要です。

 

また、モルタルは地震で剥がれる危険から、サイディングが良いとする声もあります。

確かにモルタルは割れる可能性があるとしても、剥がれ落ちた原因に、施工の問題がなかったか検証しないと、正しい評価には繋がりません。

実際に震災地のモルタル外壁の中でも、被害の程度はかなり差異があるようです。

 

まとめ

現在の住宅で圧倒的に多いのがサイディングで、調査機関によって多少数字が違いますが、新築では7割とも8割とも言われます。

ついでモルタルです。

ご存じの通り、他にもタイルや土壁などがありますが、こだわりがあって選ぶ以外使われることはほとんどなく、多くが上記の二択というのが現在のリフォーム事情です。

 

外壁は顔も知らない他人も目にする部分で、「あの青い家の角を…」などと言ったように、ランドマークになることもあります。

一部景観地区を除けば、外観は自由に決められるとはいえ、町(街)の景観を乱すデザインは歓迎されない現実もあるでしょう。

 

上記のポイントを踏まえて、普段歩く道沿いにある家の外壁を見てみると、新たな発見があるかもしれません。

主に断熱といった機能性は、地域の環境によって必要性が違いますので、リフォームの目的に照らし合わせて検討してみてください。

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