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シロアリ駆除の薬剤と気になるニオイについて解説します

 
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シロアリを駆除するのには、薬剤が必要不可欠です。

家の下だけでなく、水回りや部屋の中などにも駆除剤を撒かないといけないパターンもあるでしょう。

住んでいるのに、家中に薬剤を撒き散らすなんて、体への影響が心配!という人がほとんどだと思います。

健康な方はもちろん、小さなお子さんや妊婦さん、アレルギー体質の人や免疫力の弱い人などのご家庭では、シロアリの全滅よりも体への影響の方が懸念事項かもしれません。

素人では詳しく知る事のできないシロアリ駆除の薬剤について、簡単にまとめてみました。

 

シロアリ駆除の薬剤の比較

 

シロアリは、1匹見つけたら数万匹はいるといいますから、そのまま放置してしまうと、とんでもないことになる可能性も…。

シロアリを1匹でも見つけたら、早めに駆除することがとても重要です。

しかし、シロアリ駆除の薬剤にはたくさんの種類があり、どの薬剤を使えばよいのかわからない方も多いことでしょう。

そこで今回は、シロアリ駆除の薬剤を比較してみました。

 

シロアリ駆除の薬剤はどんな種類があるの?

 

シロアリ駆除に使用する薬剤というと、「毒性が強く人体に影響があるのではないか?」と心配される方も多いと思います。

一昔前は毒性の強い薬剤も使用されていたようですが、現在は(社)日本しろあり対策協会や(公社)日本木材保存協会が、安全性と効果を認定した薬剤のみが販売されています。

シロアリ駆除に使用する薬剤の種類は豊富で、成分によって大きく5つに分かれます。

それぞれの成分には特徴があるため、シロアリの種類や被害状況、環境や目的によって選ぶ必要があります。

では、成分別にそれぞれの特徴をみていきましょう。

 

ネオニコチノイド系

 

ガーデニング用や農業用にも使用されるもので、人や家畜に対しての安全性は高いのが特徴です。

シロアリ駆除以外にも、ゴキブリ駆除やペットのノミやシラミ取り、スプレー殺虫剤にも使用されています。

ネオニコチノイド系の薬剤は、ニコチンに似た構造でできていて、昆虫に対して毒性を発揮します。特にミツバチに対して強い毒性があります。

シロアリ駆除に関しては非常に効果がありますが、シロアリ以外の昆虫にも作用してしまうため、大量散布などには注意が必要です。

また、非忌避性で遅効性があるため、シロアリは薬剤とわからずに接触するので、ドミノ効果も期待できます。

 

ピレスロイド系

 

ピレスロイドというのは、除虫菊に含まれる成分のことで、殺虫剤として広く使用されています。

現在使用されている合成ピレスロイドは、昆虫類や両生類、爬虫類の神経細胞に作用する神経毒の一種です。

魚毒性が高いため、河川や池など水の近くでの使用には注意が必要です。しかし、哺乳類や鳥類には毒性は低く、安全性の高い殺虫剤です。

シロアリに対しては即効性があり、忌避性も強いという特徴があります。

 

カーバメート系

 

神経系に作用してシロアリを退治する薬剤で、殺虫剤や除草剤としても使われています。

魚類に対する毒性は低いですが、人や家畜に対しては毒性がやや高めです。強い殺蟻力があります。

カーバメート系薬剤に含まれている成分が、シックハウス症候群の原因物質となる可能性もあることから、室内濃度指針値が設定されています。

熱や光、酸に対して安定性は高いものの、アルカリ成分によって加水分解を受けやすいという性質があります。

 

フェニルピラゾール系

 

殺虫効果が強く、低薬量でも効果を発揮します。シロアリ駆除用として使用される薬剤です。

人や家畜、魚類に対して毒性が強いため、使用には十分な注意が必要です。

非忌避性で遅効性があるので、ドミノ効果も期待できます。

 

フェニルピロール系

 

呼吸障害を引き起こしてシロアリを退治します。高い殺蟻力があります。

人や家畜、魚類に対する毒性が強いので、使用には十分な注意が必要です。非忌避性で遅効性があるため、ドミノ効果も期待できます。

 

 

シロアリ駆除の薬剤を選ぶときのポイントは?

 

シロアリ駆除の薬剤は、成分によって特徴があります。それぞれの特徴をよく理解した上で、適切な薬剤を選ぶことが重要です。

では、どのようなポイントに注意して、薬剤を選べば良いのでしょうか?

シロアリ駆除の薬剤を選ぶときのポイントは3つあります。

 

「忌避性」か「非忌避性」か?

 

忌避とは、嫌って避けること。忌避性の薬剤は、シロアリが嫌いな成分が含まれているため、その薬剤のそばには近寄りません。

中には、薬剤に触れると死んでしまう強い成分のものもあります。

忌避性の高い薬剤は、シロアリが寄り付かないことから、シロアリ予防に使用することで高い効果が得られます。

非忌避性の薬剤は、シロアリが嫌いな成分で作られていないため、シロアリは薬剤とは知らずに近寄ります。

そのため、毒エサとして利用することもあります。ゴキブリ退治に使うホウ酸団子のようなものです。

シロアリは巣ごと退治しなければ意味がありません。だから、薬剤に触れてもらわないことには話にならないのです。

新しい駆除剤やマイクロカプセル製剤には、非忌避性のものが多くあります。

 

「即効性」があるか「遅効性」があるか?

 

即効性のある薬剤は、薬剤に触れてすぐにシロアリは死んでしまいます。これではシロアリ駆除にはなりません。

シロアリ駆除剤は、遅効性のあるものでなければならないのです。シロアリが食べるなどして体の中に薬剤は入ります。

そしてそのまま、死なずに巣まで帰ってもらわないと意味がありません。そのため、薬の効果は遅れて現れるものが良いのです。

 

伝播性があるかどうか?

 

伝播とは、伝わり広まること。伝播性がある薬剤なら、シロアリからシロアリに薬剤が広まって退治することができるのです。

シロアリは仲間同士で体を舐め合うグルーミングをする習性があります。

薬剤のついたシロアリが巣に帰り、他のシロアリがその薬剤を舐めることで巣ごとシロアリを駆除するのです。

巣ごとシロアリを駆除するためには、伝播性のある薬剤を選ぶのが良いのです。

シロアリ駆除の薬剤にもいろいろな種類があり、その成分によってそれぞれ特徴があります。

安全性をクリアしている薬剤でも、使い方や使用量によっては注意が必要なものもあります。

目的や使用する環境によって、薬剤を選ぶようにすると良いでしょう。

 

 

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